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落ちる話

 消防署の待合室には穴が開いていて、いざというとき消防士たちはそこから飛び降りて迅速に出動する。
 そんな感じの映像を見た記憶があるんだけれど、あれ、実在するんだろうか。一秒でも早く出動するためだとか。
 緊急さでいえば朝出勤する時の僕もそんなに負けてはいないので、僕の住むところにも穴の一つや二つくらい、パパッと空けてくれてもいいはずだ。ぜひともそうしてほしい。そしたら僕も九階分の高さをシャーッと華麗に舞い降りて出勤して見せるから。
 ごめん、嘘ついた。僕高いところ苦手だったし、高いところから落ちるのはなお苦手だった。
 絶叫系アトラクションとか乗る人の気が知れない。
 ジェットコースターはまだいい。あれは落ちるだけじゃなくて移動するから。移動するものは楽しい。そういうことを僕は知っている。
 だけどさ、落ちるだけのやつあるじゃん。
 あの、上まで登ってから、落ちるだけのやつ。途中で一回止まってからもっかい落ちるタイプのやつもあるけど。
 あれさ、みんな楽しくて乗ってるのかな。落ちるだけだぞ。楽しくないだろ。
 高いところから落ちたら死ぬんだぞ。
 猫や蟻でもない限り落ちたら死ぬし、僕は人間だ。少なくとも人間でありたいと、僕はそう願っている。
 落ちても死なないといえば僕はドラクエの勇者を思い出す。ちょっとしたショートカット感覚で、塔の頂上から飛び降りる勇者たち。
 そんなのアリかよ。ナシだろ。それがアリなら、もういちいち船を入手するイベントとかこなさなくてよくない?
 泳げ。大海原を。
 ちなみに、塔から無傷で飛び降りる彼らに1ダメージとか与えうる化け物がスライムだ。騙されるな。ぷるぷる、僕悪いスライムじゃないよう」とか言ってるそいつは、おそらくただの体当たりで一般人の身体を爆散させる。
 ぷるぷる、じゃねえよ。現実世界でいうと、ライオン以上の猛獣だぞ。
 ライオンが「ぷるぷる、僕悪いライオンじゃないよう」とか言ってきても僕は絶対信用しない。喰うつもりだろ。隙あらば、僕を。
 でもライオンはぷるぷるしてないな。ふさふさだな。
「ふさふさ、僕悪いライオンじゃないよう」かな。
 あ、なんかいいな。こう信用するとかしないとかじゃなくて、ふさふさしているのはとてもいい。
 人はふさふさしているものに対して強く惹きつけられる。有名なのがトラツリアブですね。

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 かわいい。
 虫の分際で凄くかわいい。
 こういうのってやっぱりあれかな。大昔、猿人だったご先祖様の本能が何か残ってたりするのかな。
 毛深いものを愛する、本能が。
 うん。
 話が脇道に反れまくっているので、これでおしまい。
「落ちる話」なのに「オチがない」つってね。
 なーんつってね。
 いやはや、参ったねコレ。