眼鏡がどっか行く話

 飲み会の後でどっか行っちゃいそうになるものと言えば財布、鍵、携帯を抑えて堂々の一位が眼鏡ですけれど、皆さんはどうやって対策してますか?

 あれ?

 普通は眼鏡どっか行かない?

 そんな馬鹿な。

 どう考えても眼鏡はどっか行っちゃいますよ。

 それを今から論理的に説明してみせます。

 

① 鞄にしまえない

 財布、鍵、携帯はきちんと鞄に入れてしまいさえすれば失くしようがありません。これらを失くしてしまうのはその程度のことすらわからない愚か者どもなのでめっちゃ見下しても構いません。使用する際にいちいち鞄から出さなければいけないのが難点ですが、鍵は家に着くまで出さなくとも問題ないし、財布は金を払わなければいい話で、携帯に至っては携帯いじってる方が楽しいようなつまらない飲み会に参加してるお前が悪い。

 

② 使用した記憶が残りにくい

 財布や鍵、携帯は「どこそこで使ったから、そこまでは持ってた!」という記憶が残りますが、眼鏡にはそれがありません。眼鏡のおかげで視界が明瞭でも、アルコールのおかげで頭が明瞭ではないから眼鏡をかけていたのかどうか僕はさっぱり覚えていない。それというのも僕の着けている眼鏡が、

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 軽くて丈夫な、ゾフ・スマートだからなんですけれどね。

 

③ 食事の際は眼鏡を外す

 食事というものは料理と、そして料理人や農家といった生産者たちと向き合う場面でありますから眼鏡越しの食事はマナー違反に当たりますし、スマホをいじりながらの食事や、カメラで写真を撮ることを食事より優先させるなどは言語道断です。眼鏡を外し、手を合わせ、いただきますと唱えてから食事をいただくようにしましょう。あとラーメンとか食うとき眼鏡曇るし。

 

④ 家に着いたらまず眼鏡を外す

 僕目が悪い癖に眼鏡掛けてると頭が痛くなってくるので、帰宅するや否や眼鏡をはずして適当に放り投げるんですよね。まあこれが明らかに眼鏡がどっか行く原因なんですけれど、置き場所を次からは決めようと思ったその日に洗面台に置きっぱなしにしてたりとかするんですよね。以前は服と一緒に洗濯物カゴに突っ込んでたし、その次は枕の下敷きになっていたり、つい先日は座椅子の陰に綺麗に隠れたりしていました。眼鏡を探して遅刻しそうになった。ちゃんと一所にいてくれ眼鏡。まあこんな乱暴な使い方が許されるのも、僕の眼鏡が

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 軽くて丈夫な、ゾフ・スマートだからなんですけれどね。

 

⑤ 眼鏡を探す眼鏡がない

 で、これがどっか行ってしまった眼鏡の捜索を困難にしている一番の要因であり、眼鏡を探す際には眼鏡なしでやらなければならず、眼鏡のありがたさをボディーブローのように伝えてくれる事実。眼鏡がないので眼鏡を探せない。失くした眼鏡を探すためには失くした眼鏡が必要で、失くした眼鏡を探す用の眼鏡さえも眼鏡がないので探せない。従来から眼鏡の捜索には眼鏡が必須とされてきました。眼鏡の名産地として有名な福井県鯖江では、豊富に存在する眼鏡を駆使して眼鏡を探し出すことにより眼鏡の生産をさらに拡大しています。トリュフを探す豚のように眼鏡は眼鏡を探します。眼鏡を探す眼鏡が土から生えた眼鏡や木に成る眼鏡を見つけ出し、眼鏡を探す眼鏡により見つけ出された眼鏡がまた新たな眼鏡を探す眼鏡となる。このような眼鏡と眼鏡の連鎖によって福井県鯖江市の経済は成り立っています。
 このようにして眼鏡が生産されていることは誰もが知っていることですが、ではこのような疑問を抱いたことはないでしょうか。つまり「原初の眼鏡はどこから来たのか」ということです。眼鏡を探すためには眼鏡が必要とされてはおりますが、人類が眼鏡と共に生まれたのではない以上、必ず最初に偶然眼鏡なしで発見された眼鏡が存在する、ということになるのです。現存する眼鏡の発見ルートを家系図のように結び付けていけば、人類でいうミトコンドリア・イブのように、その原初の眼鏡、眼鏡のオリジンにたどり着くはずである。これが現在最も広く支持されている見解であります。
 一説によると、それはアフリカの荒野であったと言われています。乾いた風が赤茶けた砂を運ぶ、切り立った山脈のふもと。そこに訪れる動物を癒すかのように存在していた小さな泉の、その脇から寂しげに一つだけ、しかし凛々しく、誰かを待つように生えていたのが、

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 皆様ご存知、ゾフ・スマートなのです(2もあるよ)。