蕁麻疹の話

 まあこれが痒いのだ。蕁麻疹。19時から20時頃になるとぽつぽつと腕や腰回り、首の裏に表れ始め、痒い。時間が経つと少しずつ増えていくために痒く、酷いときは増えた蕁麻疹が連なって巨大な蕁麻疹となり、結果痒い。

 最近これが毎晩で痒くてどうしようもないので、無理やり眠ることにしている。寝て起きたら、たいていの場合治まっている。どういうわけだか僕の蕁麻疹は夜行性だ。家で一人でいるばかりにやたらと暴れて痒い。僕はこれを「夜アレルギーになった」だの「自宅アレルギーになった」だの「生活アレルギーになった」だのと愉快がっていたのだが、周りの反応を見るにどうやらこれはあまり面白くないようであり、ただただ痒いばかりである。

 寝て起きたら治まっている。これ、本当だろうか? 身体に現れた蕁麻疹は僕が眠っている間にもその数を増やしていき、繋がっていき、僕の身体をくまなく覆っていく。僕が目を覚ました時、実は蕁麻疹は治まってなどおらず、ひとつなぎの蕁麻疹となっているかもしれない。ワンピース。全身が均一に腫れている場合、それは全身がちっとも腫れていない上体ともはや区別がつかない。どこも膨らまずどこも凹まず、僕は蕁麻疹に包まれたまま生活しているおそれがある。

 で、毎晩蕁麻疹を発症させているということは、毎晩少しずつ僕が膨張しているということになる。正しくは僕の蕁麻疹が。僕の表面を覆っていた蕁麻疹は等比級数的にその体積を増やしていき、いずれ僕は完全に包まれて、一つの巨大な蕁麻疹となってしまうのだろう。ただ痒みを感じるだけの肉塊。惨すぎる。「新世界より」のスクィーラかよ。

 肉塊になるのは嫌だ、と泣きながら風呂に入ってシーブリーズのボディーソープで身体をがっしがっし洗ったら、なんか蕁麻疹も治まってきたし痒みもなくなってきた。なのでこうして余裕をぶっこいてブログなんぞを書くことができる。つまり、シーブリーズは最高。今日の記事の概要はそういうことだ。