触れることかなわない話

 ノートPCを新調しました。

 いや前の子に何か不満があったというわけではなくて、その子、去年買ったヒューレットパッカードのENVYってやつ、シックな筐体に木目のタッチパッドがスタイリッシュで、不満点はやや重たいくらいしかなくてかなり気に入ってまして、あと360度開くんですよね。ヒューレットパッカードだけに。パッカーンって。噂によるとヒューレットパッカードのノートPCは、大なり小なりパッカーンて開くらしいです。ノートPCをパッカーンて開けたい人にはお勧めですねヒューレットパッカード。これは全然関係ないけどヒューレット・パッカードハーマン・カードンがたまにごっちゃになる。ごっちゃになっても問題ないように勝手にくっつけとこ。ハーマン・ヒューレット・パッカードン。パッカードンて。ポケモンにいそうな感じになっちゃった。ワハハ。何がおもろいねん

 

 そんなお気にの子をクリボーよろしく踏みつぶしました。

 

 腹の上にのっけて動画見ながら寝落ち、これを毎日毎日繰り返していたおれが全面的に悪いです。

 いずれやるとは思ってました。

 朝になったらかなりの確率で、マットレスの傍ら、足を踏み出す部分に転がってましたから。

 

 まあさすがにへこんでしまいましたが、液晶画面の半分を暗黒領域が覆っているENVYちゃんはもうどうしようもないので、次代のPCを入手するしかありません。これまで私用ノートPCはASUS Transbook T100TA、Lenovo Yogabook、HP envyと2in的に使えるやつを渡り歩いてきたんですが、最近気づいたことがあって、特にタブレットとして使いたい場面がそんなにないんですよ。基本はスマホで事足りるし、電子書籍もそんなに読まないし、PC使うなら文字打ちたいからキーボード使うし、なんならこの前のAmazonPrimeDayの時のノリでKindleFire買っちゃったし。

 なんでもうコスパのコスに優れてそうなノートPCを適当に買えばいいんじゃね? どうせまたいずれ踏みつぶしてしまうかもしれないのだし。おれは触れるものみな傷つけてしまう哀しき巨人なのだから。

 

 ほんでAmazonでぽちりました。

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TECLAST f7 plus2

 TECLASTくんです! 誰だお前! 知らねえ~~!!

 Amazonのスポンサー枠で出てきた製品で非常に怪しんだのですが、タブレット系端末で台頭してきている中華メーカーのようですね。

 メモリ8GBのSSD256GB、CPUはCeleronですがまあゲーミングPCにするわけでもなし、文字打ち、office、ニコニコ動画RTA鑑賞くらいしかしないライトユーザーのおれにとっては特に問題ありません。14inchで1.3kgとお膝の上でも快適に使えそうで、何より値段が35,000円。やっす。二週間くらい断酒絶食すれば元取れますね。二週間霞だけで暮らそ。星になったENVYちゃんへの弔いのために。

 

 ほんで今朝届いて、試運転がてら今これを打ってます。動作はそれなりに軽快、思った以上に重量も軽い、打鍵の感覚は少し深めでかなり好み。筐体はプラですがシンプルなシルバーの仕上がりでめちゃ安っぽい感じはしない。キーボードが日本語配列でないからややわずらわしいのが難点。まあ総合的には文句ないです。ここまでは。

 最大の誤算があったことを除けば。

 

 触れません。

 

 触れられないんです

 

 要はディスプレイがタッチパネルじゃないってことで、ここについてはもう下調べしていなかった俺が悪い。今時PCはすべてタッチパネルじゃろ、なんて思いこんでしまっていたんですね、なまじ今まで2in1ばっか使っていたから。

 とりあえずBluetoothマウスは持ってたので接続して、問題なく使えてはいます。だけどふとした時、つい手を伸ばしてしまう。画面へ。画面の向こうへ。触ろうとしてしまう。何も返ってこないのに。

  液晶タッチパネル。触れたら反応を返してくれる、その相互作用を持って現実社会と情報社会を融和する、あたたかなコミュニケーションをもたらす魔法の鏡。それが今では彼我を別つ壁になってしまった。僕は手を伸ばす。壁は何も応えてはくれない。冷酷な拒絶のみがそこにある。あなたに触れたい、でも触れない。この悲しみは、ああそうだ、昔失恋した時と同じ種類の哀しみだ。もう二度とあの子の柔らかな手に触れることはできないのだろうと思うと、その喪失の大きさに僕は慟哭したものだった。今、僕の頬を同じ熱い涙が流れている。冷ややかな液晶ディスプレイは改めて僕と社会の断絶を示し、一人老いていく僕の孤独を詳らかにしてしまった。僕は泣いている。僕が失ったものすべてに。それから、僕がこれから失うであろうものすべてに。僕は慟哭し続けている。

 

 

 大きなものを買うときはきちんと下調べをしようね!

 お兄さんとの約束だぞ!!