a flood of circleの話 ~等身大であり続けること~

「そのままの君でいいよ」って言うじゃないですか。あれ嘘なんですよ。いや嘘は言いすぎか。でもまあだいたい欺瞞です。
 もちろん俺は俺でいいんだって自分を肯定してあげることは大事です。でも「そのまま」でいいわきゃないんですよ。この社会、戦わなきゃ生きていけない。立ち止まったものは取り残される。動かない人は見てもらえない。なんとか置いてかれないようにって、よりマシな自分になろう、ってあがいてもがいて、何とか一歩踏み出して、やっと「俺は俺でよかった」って思えるのでしょう。少なくとも俺はね。

 

 2024年8月12日、a flood of circleのデビュー15周年記念日比谷野音ライブに行った時の熱を忘れないためにこのブログは書かれています。

 

  a flood of circle。2006年結成、デビューが2009年。ちょっとブルースな香りもする、めっちゃ真っすぐなロックをする。よく言えば芯の通った音楽性、悪く言えば代わり映えがしない。チャレンジングなジャンルに挑戦とか曲の展開にメチャクチャ工夫を凝らしてくるとかはほとんどない。メンバーが変わったりとかもあったが、昔から今までの曲を流して聴いてみても、声の若さとかはあっても曲風の変化点みたいなものはほとんど感じない。
 俺自身、10年前くらいからぼちぼち聴いてはいたんだけど、「バリエーションがねぇな~」とは思っていて。局所的にメチャクチャ好きな曲はいくつかあったので(後述)その辺を重点的にヘビーローテーションする感じで聴いていたのですが、この数年でこのバンドの曲が全体的にピッタリしっくり俺の心に合うように感じてきてて、2年前くらいに一回ライブに行ってみたらものすごいガツンときました。

 このバンド、ソウルがすげぇ!!

 で改めて昔の曲からしっかり聞きこんでさ、やっぱり思うのは「代り映えしないな~」なんですよ。でもいい意味でそう感じるようになって。ああ、この人たちはそのソウルが揺らいでないな、と。そしてそのソウルを抱き続けたまま歩んできたのだな、と。

戦って 戦って いったい何に勝てばいい?
心はヒューマン・ライセンスを求めている

 「Human License」

 彼らのまっすぐなロックは、とにかく存在証明を叫んでいる。ボーカル佐々木亮介のハスキーな声から生まれる、一聴して攻撃的にも感じるシャウトは、その実自分に向けられている。「俺はロックンローラーでありうるのか」と。

不確かな世界で 確かめてみたいんだ Baby
血まみれのつま先で 夜明けまで踊る
 「Blood Red Shose」

 その疑念がどういう根拠に基づくものなのか、もしかしたら世間の流行や日本のミュージックシーンに対比して自分たちを客観的に分析してしまうが故なのか、それはわからない。でも彼らはきっと冷静に思っている。「俺たちはロック・スターにはなれないんじゃないか?」

ジェームス・ディーンになりたいんじゃない 僕は僕になりたいだけ

向かい風の日もいいんじゃない 僕は僕でありたいだけ

 「理由なき反抗(The Rebel Age)」

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成功だと? 金の話か? ギャラか? 印税か? ミュージックに価値はあるか?
もともと価値なんかないもんだと言ったボブディランを信じる
 「I'M FREE」

 でもだからこそ彼らは恰好いいんですよ。自分たちの限界を疑いながらも、自分たちが自分たちのままで歌うことで、その歌がどこかへ、君たちへ、届くことを願って祈って叫んでいる。

 なあ、この曲は君に届いているかい?

十字路で出会った悪魔がこの先の宿命をあざ笑っても
進むしかないんだ それに抗ってるんだ 君はどう思ってる?

 「月面のプール」

届け 届いてくれ
叫び続ける声 花になれ

 「花」

 彼らの手は伸ばされる。常に。ここではないどこかへ。彼らは自分たちが極点へとたどり着けるとは思っていない。「ロックだって名乗るのは本物じゃない気がする(MC)」「俺は小物なんで(MC)」とすら言ってしまうのだけれど、でも、

誰が何と言おうと
それをロックンロールと呼ぼう

 「Roller Anthem」

 でも、歩みを止めることはない。青いころに描いてた夢は、夢物語だったと、自分たちで思ってしまうようになっても、なお。「行けるところまで行こう(MC)」と彼らは言う。

これが生きる理由だ
行けるとこまで行こうぜ

 「白状」

 このブログ、ここまでライブのセトリに従って、抜粋しながら書いてます。ここまでくるとボーカル佐々木亮介、前半から時系列をある程度なぞりながらも畳みかけるキラーチューンばかりのセットリストのおかげで、ほとんど声が出なくなってました。
 でも、まだ声を絞り出して、歌い始める。まだまだ彼らは「行ける」んだから。
 彼らの熱は未だに滾る。俺たちは夜空に彼らの歌が響くことを祈っている。

希望とか期待とか ベイビーには分からない
行かないではいらんない場所へ向かう物語

 「花降る空に不滅の歌を」

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俺の夢をかなえる奴は俺しかいない

 「月夜の道を俺が行く」

「誰がなんと言っても俺は俺なんだ」
少年の言葉にあった誓いか 祈りか
あれは あの時の声は こんなずるい響きだったっけ

 「本気で生きているのなら」

 ここで三曲連続、2023年の最新アルバムからで、正直アルバムでこのあたり聴いてたときは、歌詞がストレートすぎたりちょっとポップすぎたりバラードすぎたりであまり刺さってませんでした。
 でも改めて、このバンドの歴史を体感した後で聴くと、ああ、マジでずっと信じ続けたものを歌っているんだなと。自分たちの特別さなんてものは一向に信じてなくても、自分たちのままで、本気で歌って、歌い続けて、たどり着ける場所まで行こう、ってやってきた。その集大成を垣間見ました。

 そしてついにライブはクライマックスへ向かう。

絶望の果てに 答えがなくても
まだ遠くを目指す
明日がやってくる それを知ってるから
またこの手を伸ばす

 「シーガル」

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 これ、2009年の曲。
 本当に芯がぶれてねぇ!!!!
 ずっとかっけえよ a flood of circle!!

 

 以上、等身大の自分たちのままで、行けるところまで行こうとする超恰好いいバンド、afocのお話でした。
 俺ももっと本気で行かないとな、と思わせる最高のバンドです。ぜひご一聴を。
 そして熱がまだ冷めやらないので明日ヒトカラ行ってきます。

 

 

 

~以下全部番外編・蛇足 個人的に大好きな曲~

It’s A Aurora Song 死ぬまでに見てみたいって
It’s A Aurora Song 君はいつかいってたんじゃんか

 「オーロラソング」

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永遠について考えるのはいつも
永遠に続かないものに気づくときだけ
-
一瞬でいいんだ
一瞬のために生きていける

 「the cat is hard-boiled」

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世界は悲しみで回ってるから それを見て笑ってる奴がいるから
だからふたりはダージリンを淹れて
ケーキでも食べながら 暮らしてくんだよ
 「308」

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なんかまだいけそう
君が君でいるだけで
なんかまだいけそう
俺は心底感動しています

届く 気がして

 「ギター(羽あり)」

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