身体を売ってきた。身体といっても400mlの血液で、売ったといっても対価はアクエリアスとアタックの小袋三つ分だった。痛みを我慢するには安すぎると思うべきか。あるいは、いつもただ漫然と身体を流れているだけのこいつに値段が付くだけありがたいと思うべ…
手が生えてきた。人間の手である。誰のものとも知れぬ右手が、部屋の片隅から生えてきた。 非は確かに俺にある。ジメジメしたこの季節に部屋の換気を怠って部屋の隅にひと月分の衣類の山を築き上げていたのだから、その下から何か生えてきくるのは想定されて…
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