振り出しに戻る話

 はい出ました。休職です。2月の中頃から。いったい何回目で、どれだけの期間こうなってんだ? 社会人失格の烙印を押されても仕方がない。シャチハタで用意しておいてほしい。そこら中に押すからさ。落伍者の認め印を。

 うつ病だと心療内科医は言った。うつ病ですと僕は連絡した。だけどこれが本当にうつ病なのかどうか、僕にはわからない。今の会社は嫌いじゃない。人にも環境にも恵まれているといっていい。なのに何にそんなに気が滅入ることがある? A.会社は生活の大部分であっても、生活の全てではないから。答えは分かっていた。僕は生活に滅入っている。

 体が震える。めまいがする。トンネルの中を走り続けているような耳鳴りが聞こえる。脳の配管に汚泥が詰まっていて、ジェネリックになったレクサプロで流しきれないほどにこびりついている。「頭に鉛が詰まっているような気分だ」と僕は言う。実際これが一番的を射た比喩だと思っている。

 休職して何をしているか、もちろん、何もしていない。なぜって、生活に滅入っているから。特にやりたいことがないから、ただひたすら眠っている。面白くねーもん。テレビも動画もゲームも漫画も小説も、全部。面白さを感じるアンテナがへし折れているといったほうが正しい。頭に何も入ってこない。だから眠る。昨日は何時間寝たっけ、0時から朝の11時まで寝て、昼間も意識があることに飽きたから13時から15時まで寝て、何かへの言い訳のように10分だけ散歩して、そして20時から12時間眠った。ヘドロになったような気分で、僕はひたすら惰眠をむさぼり続ける。ヘドロに気分があるのかどうかは別として。この眠りがうつ病のせいなのか、処方されている薬の副作用のせいなのか、僕には何もわからない。「全部つまんね~!」と叫びながら僕は布団と毛布にくるまったが、つまらないのが全部ではなく僕のほうだということだけがわかっている。

 

 買ったんですよ、ほしくなって。まだもう少し正常だった1月に、ワイヤレスヘッドホンと、ハンドベルトゲーミングPC(スイッチみたいな形状しているポータブルPC)。より正確に記すならBowers & WilkinsのPx7 S2と、ASUSのROG Ally。なーんかほしくなってね。購入しました。特にRog Allyはね、その時Skulにはまってましたから。似たようなゲームをもっとやりてーってなって。
 今全然使ってない。音楽を聴くのもゲームをやるのも面倒くさいので。
 ガジェットってほしくなって情報調べてる時が一番楽しいんだよな。

 

「出かけたほうがいいと思う」とここに至っても親切にしてくれる上司はありがたく助言してくれる。わかっている。家にいたってマシな気分にならないのは。でもさ、外に出る気持ちにすらなれないんですよ。これがうつのせいなのか、ただ自堕落なだけなのか、やっぱりぼくにはわからない。

 

 残念ながらまだ僕には責任があり、生活を捨てることにはリスクとダメージがあるので、生活をする。

 

 久しぶりに更新したと思ったらこんな内容ですよ。脳のリハビリのためにたまに書こうと思います、何日坊主になるかな、明日書かないことは確定している。