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飲み会の話

 少しイライラしている。イライラしているのは今に限った話ではない。大きな飲み会の後の僕は、どうしてだかいつもそんな気分になってしまう。
 ある程度の人数が集まった飲み会では途端に僕は話せなくなるのだ。明らかな目上や目下が場にいる場合に限ってはそうでもないけれど(その場合は彼らとの共通点から話題を適当に探し出せばいいだけだから)。僕が悲惨になるのは、そこまで気を許せていない、対等な関係の人達がある程度集まったときの飲み会だ。僕はろくに何も話せなくなってしまう。出来るのは他人の話に相槌や相の手を入れることくらいだ。思ってもいないことやちょっと思っただけのことを大げさに叫んで、僕はその場を何とか取り繕おうとする。そして、自分が思うようにはうまくは振る舞えなかったことについて、どうしても苛立ちを感じてしまい、家に戻ってから余分な酒をもう一杯嗜む羽目になる。
 あの居心地の悪さ。何か心当たりがあると思っていたら、学生の時に体育の授業でやったサッカーだ。僕は運動神経が非常に悪い。だからといってのんびり歩いていたりなんかしたりすると、周りに取り残されて冷ややかな目線を浴びることになる。だから走り回るしかない。走り回ったからといって、シュートを決めることができない僕に誰もパスなんか出してくれやしないけれど。
 飲み会の時も結局同じなんだ。あれはようやく忘れられると思っていた、スクールカーストのことを彷彿とさせる。笑いを誘う道化にも会話を仕切るリーダーにもなれない、かといっていじられキャラに徹することもできない僕は、壁に背をつけながらうっすいハイボールをちびちびと飲むことになる。僕は手持無沙汰さを酒を飲んでごまかし続けている。来るはずもないパスを待ちながら。