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朝ご飯を食べる話

 午前5時くらいに仕事が一段落つき、自分の席で「あ"ーーーー」って言ってたら午前6時になっていた。長い。「あ"ーーーー」が長すぎる。毎日「あ"ーーーー」に1時間を費やすだけで1年で365時間、日数に直すと約15日「あ"ーーーー」とやっている計算になる。人生のうち1/3を睡眠に費やす上に、さらに1/24を「あ"ーーーー」に浪費していく。なんの冗談だよ俺の人生は。

 声帯が擦りきれるまで一頻り「あ"ーーーー」を嗜んだ後、ひとっ風呂浴びてから朝飯を食べにいくことにした。今日は車で通勤していたため、車の中に常備してある風呂道具が役に立つ。ところで自動車については、本腰を入れて愛好している方々を除くと、一般的には「快適な移動手段」として用いるか「移動する快適空間」として用いるかの2パターンがあるように感じられ、俺は完全に後者に属するのだけれど、長くなりそうなのでこの話はまたの機会に。

 で、さっぱりしてから近所のファミレスにきた。モーニングメニューは4、500円で注文できる上にドリンクバーが付いており、非常にアツい。コーヒーで粘りながら貴重な午前の数時間をだらだら過ごすのが専らのマイブームなのである(今2杯目)。

 今日のセレクトは定番朝食。ご飯味噌汁沢庵に加え、納豆玉子ひじきと定番の一品ばかりを揃えた貴重なメニューだ。納豆や玉子など、消費期限の都合上一人暮らし生活をしていると自宅で食べにくいものが揃っているのもありがたい。

 玉子と納豆を混ぜてご飯の上にかけ、箸でかっ込む。旨い。旨すぎる。これが科学の力か。続いてひじき。ひじきは……ひじきだな。合間に啜る味噌汁も熱々で良い出汁が出ている。沢庵もご飯に良く合う。んでひじきは……ひじきだな。

 そんなこんなで腹を満たした幸せな気分で今これを打っている訳だけれど、この幸せについて改めて考えてみると、どうにも俺は「美味しいものを食べた」とか「お腹いっぱいになった」とかではなく、むしろ「規則正しく栄養価のあるものを摂ることができた」という部分に食の幸せを感じているようだ。

 俺、外食欲が少ない。休日のお出掛けの際にはしっかり外食をして贅沢することはあるものの、例えば会社の同期が頻繁にそうするように、平日の仕事帰りに「ファミレス行くか~」と思ったことがない。それなら俺はスーパーで惣菜を買い、部屋で米を炊いて食う。これも普段の食事を「栄養を摂るためのノルマ」と考えている節があるからだろう。

 なんか、RPGみたいだなあと思う。ノルマを達成することによって経験値を溜め、レベルを上げていき、少しずつ強くなって強大なボスを打ち倒すのだ。そんな日々の過ごし方。実際にそんな分かりやすいシステムであったらどれだけ良かっただろうか。

 もちろん現実はRPGではないし、ちゃんと栄養を摂ったとしてもレベルアップのファンファーレは鳴り響かない。本当に、俺はちゃんと強くなってるんだろうか。不安で不安で仕方ないので、仕事をしないサウンドエフェクトの代わりに自分で奏でる。てれれれ、てってってーん。

 三杯目のコーヒーを飲み終える。俺の胃には着実にダメージが刻まれていっている。